8番出口
映画『8番出口』レビュー
評価:10点満点中 5点
ゲームの世界観を忠実に再現していた点は高く評価できるが、その他の要素が全体の完成度を下げている。「余計なことをするな」と言いたくなる、典型的な失敗型の映画化であった。
良かった点
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ゲームの世界観の再現度
地下通路の質感や照明、雰囲気の再現度が非常に高く、「おじさん」の造形もまるでCGのような完成度だった。原作ファンとして満足できる仕上がり。 -
現実的な行動の導入
主人公がスマホで異常を記録しようとする描写は、ゲームにはない現実的な行動として説得力があった。その写真が「バグって」無効化される演出も秀逸で、世界の異常性をうまく表現していた。 -
音響演出の巧みさ
ワイヤレスイヤホンを装着するたびに、ノイズキャンセリングによって騒音が消えるような効果があり、観客まで包み込むような没入感を生み出していた。特に、それまでの大音量が一瞬で静まる演出は印象的だった。
悪かった点
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取って付けたようなストーリー
ゲームをそのまま映像化するのではなく、映画としての物語を付与する意図は理解できるが、その内容が中途半端で必然性に欠ける。目的や展開に一貫性がなく、観客が感情移入できない構成になっている。 -
不要または扱いの雑な登場人物
別れた恋人の存在は物語上の深みを狙ったものと思われるが、結果的に中途半端な描写に終わっている。
また、後半に登場する迷子の少年についても、物語上では重要人物のように扱われながら、最終的にどうなったのかが示されず、結末の描き方が雑に感じられた。 -
不快感のある演出
別れた恋人に子どもができた設定と連動して、赤ちゃんの泣き声が何度も挿入されるが、映画館の大音量で聴かされると不快感が強い。また、泣き声に腹を立てたサラリーマンが怒鳴るシーンも同様で、観ていて気持ちの良いものではなかった。 -
活かされない設定
主人公が「喘息持ち」という設定が前半のみで活かされず、後半では完全に消える。咳き込む描写も演出上の意味がなく、観客の不快感を招くだけに終わっている。 -
オリジナル怪異の失敗
映画オリジナルの怪異は、ただ気味が悪いだけで、恐怖や不安を感じさせる演出が弱い。もっと「気づいた者だけがゾッとする」ような隠された演出の方が、本作の世界観にはふさわしかった。
判断が分かれる点
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「おじさん」の設定変更
原作では無機質な存在だったおじさんを、「迷い込んだ人間の一人」として描いた点は評価が分かれる。個人的には、無感情で異質な存在のままの方が恐怖感を保てたと感じる。 -
ループ構造のエンディング
終盤で電車に再び乗り込み、冒頭のシーンに戻る構成は、続編『8番ホーム』を示唆しているようにも思える。しかし演出としては唐突で、余韻よりも「中途半端さ」が残った。
総評
映像面・音響面の再現度は高く、原作ファンが求める「雰囲気」は十分に味わえる。しかし、不要な人物描写や活かされない設定が多く、緊張感と没入感を削いでいる。
結果として、「ゲームの再現」と「映画としての完成度」のどちらも中途半端に終わってしまった印象だ。
ウマ娘 プリティーダービー
JRAで実際に活躍した名馬をモチーフに擬人化した「ウマ娘」が活躍する姿を描いたオリジナルアニメ作品で、すでにアニメ二期(Season 2)が放送され、スマホゲームも話題となっている。
たくさんのウマ娘が登場するが、本作ではスペシャルウィークをメイン、次いでサイレンススズカにスポットを当てたストーリー展開がなされている。
私自身はそこまで競馬に詳しい訳ではないが、それでも名前くらいは聞いた事がある有名馬がモチーフとなっており、(一部アニメオリジナル要素を含むが)レース展開、勝敗、および怪我に苦しむ姿などは史実をベースにしっかりと作り込まれており、往年の競馬ファンも楽しめるのではないかと思う。
また、擬人化したウマ娘が走るため、ジョッキーに代わりにウマ娘自身が「勝負服」と呼ばれる衣装を着ていたり、勝利後のウイニングランに代わり「ウイニングライブ」を行ったりと、娘化に伴うアイドル要素が盛り込まれており、競馬ライトユーザにも楽しめる内容となっている。(この辺りは、純粋な競馬ファンなどからするとオタク側に寄ったアニメアニメした要素は敬遠ポイントになっているかもしれないが・・・)
本作の視聴は2周目でとなる。Seson 2視聴後である事や、各馬の戦績などを少し調べて知識を重ねていた事もあり、一つ一つのレース展開に深く入り込む事ができ、実際の競馬を見ているような感動を味わう事ができた。
「○○娘」と言う、いかにもオタク向けなタイトル・キャラクタービジュアルではあるが、作品自体はストーリーも作画も高クオリティで十二分におすすめできる内容なので、まだ見ていない方も、食わず嫌いせずに視聴いただきたい一作である。
マネジメント [エッセンシャル版]
社会における組織のあり方が見直される中、それを正しい方向に導く「マネジメント」「マネージャー」という役割が生まれた背景・経緯、そして、その必要性を各方面のポイントごとに噛み砕いて解説したのが本書となっている。
本書を手に取る方はどちらかと言えば経営者や管理職など「企業の中でのマネジメント」を理解する目的で読まれていると思う。だが、本書では企業の中だけでなく、企業の外、つまり「社会との関わり」もマネジメントの大切な要素として解説されている。このあたりを理解・実践できるかどうかが、本書の肝になっているように感じた。
また、真面目な経営書のため内容は難しく、一読しただけで理解できるものではなかった。これは本書に限った話ではないが、自身の経験に照らし合わせられる部分と、そうでない部分での理解・イメージの差は大きい。今後、自身の立場や役割が変わるごとに本書を繰り返し読む事で、少しずつ理解を深める事ができるようになるだろう。
カメラを止めるな!
「30分以上のワンカット撮影!」「低予算をアイディアでカバー」といった評価を得て話題となった本作を視聴。
(ネタバレ含めた感想になります)
「30分以上のワンカット撮影!」という部分が方々で話題となっていた事もあり、どうしてもその部分に意識してみ始める形となった。その為か、ワンカット撮影で取られたゾンビ映画(?)のシーンは、そこまで迫力がある訳でもなく目新しいものでもなかった為、「頑張って作り上げているけど、なぜここまで話題になったのか?」と思わざるを得ないガッカリ感があった。
ただ、本作は冒頭30分がワンカットのゾンビ映画(?)で、後半60分はそれを作り上げる制作サイドの背景や撮影時のトラブルの様子を描いたドタバタ劇という2段構成となっている。
「劇中劇」を「劇中で解説」とでも言うこの構成は過去にもあったかと思うが、本作ではトラブルが起きながらも絶対にカメラを止めない為にはアレコレと瞬時に判断して回避していく様の面白みがあった。また、それを踏まえて冒頭のゾンビ映画(?)でのシーンを思い返すと、無意味なカメラ目線のシーンや、無駄に間延びしたシーン、妙に棒読みのシーンがあった事が思い返され、2度楽しむ事ができた。(30分ワンカット撮影時のメイキングシーンがエンドロールで流れるので、実質3度楽しむ事ができる)
こうして見終わってみると、確かに工夫を凝らしたアイディアで話題となったのもうなづける。今更無理だし、また普段からある程度の前情報をもって観る観ないをふるいにかけているので、何も情報を得ていない状態でこの作品に出会う事は非常に難しいが、可能なら記憶をリセットしてまっさらな状態で見たかったと思える、良質な作品であった。
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
ある日サラリーマンの夫が家に帰ると妻が血を吐いて倒れている姿を見つける。だが、それは妻のイタズラで「死んだふり」をしていただけだった。そんな、奇妙な妻の姿と、それに困惑する夫の姿を描いが作品となっている。
本作は、インターネット相談所によせられた投稿がもととなっているので、おそらく「妻が死んだふりをする」というテーマ以外は映画オリジナルの演出だろう。
タイトルからもっとコメディ色の強い作品かと思っていたが、夫婦のありかたを模索するハートフル作品となっていた。これは、見る側の勝手な思い込みなので評価ポイントとしてはどうかと思うが、イメージと異なったテイストで少し拍子抜けした。
また、やはり本作はタイトルのインパクトが強いので、(個人的には)そこはキッチリ回収して欲しかった。「死んだふり」は何パターンも登場したが、妻がなぜそんな事を始めたのか、その理由については最後まで明言されず仕舞いで終わったしまったのが残念だった。(作中では理解した夫が話すシーンがあったが、演出としてセリフはカットされていた)
蜜蜂と遠雷
恩田陸の同名小説を映画化されたもので、様々な思いを抱きながらピアノの向き合う面々がピアノコンクールで相見える姿を描いた作品。
試聴した感想から申し上げると、物足りなさを感じてしまった。
原作小説は上下巻2冊のボリュームで、登場する人物の背景やピアノに向き合う想いなども深く描かれていたが、映画では2時間という制約の中でピアノコンクールの演奏場面に焦点を置いた作りとなっている。これはこれで、良い意味での取捨選択であり、実際の演奏シーンも素人目には素晴らしいものであったが、演奏シーンに重点を起きすぎた事で、各キャラクターの特別感を感じる助走(コンクールに到るまでの思い)が損なわれ、ストーリー性の面では面白さが半減しているように感じてしまった。
映画の完成度云々ではなく、ボリュームのある原作小説を映画に昇華しきれなかったと言う表現が適切かもしれ無い。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
新劇場版三作目「Q」・・・
やっぱり分からん!!
ストーリ ーの細かい事は正直分からなかったが、開始30分の怒涛の展開には圧倒された。正直、その30分だけでもお金を払って観る価値があるくらい作り込まれた素晴らしいものであったと言える。
最後の完結編を見るのが楽しみであるが、まー、内容の理解は期待でき無いので、“映像作品”として楽しみたいと思う。

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