蜜蜂と遠雷
恩田陸の同名小説を映画化されたもので、様々な思いを抱きながらピアノの向き合う面々がピアノコンクールで相見える姿を描いた作品。
試聴した感想から申し上げると、物足りなさを感じてしまった。
原作小説は上下巻2冊のボリュームで、登場する人物の背景やピアノに向き合う想いなども深く描かれていたが、映画では2時間という制約の中でピアノコンクールの演奏場面に焦点を置いた作りとなっている。これはこれで、良い意味での取捨選択であり、実際の演奏シーンも素人目には素晴らしいものであったが、演奏シーンに重点を起きすぎた事で、各キャラクターの特別感を感じる助走(コンクールに到るまでの思い)が損なわれ、ストーリー性の面では面白さが半減しているように感じてしまった。
映画の完成度云々ではなく、ボリュームのある原作小説を映画に昇華しきれなかったと言う表現が適切かもしれ無い。